『ヒトラーVSピカソ 奪われた名画のゆくえ』鑑賞〜そして、フェルメール展へ
お久しぶりのはてなブログ更新。
本日もスタッフZがお届けいたします。
さて、4月も下旬となり、ずいぶん暖かくなりました。
当店舗は明日木曜日よりまた営業ですが、そのままゴールデンウィークに突入し、4/25〜4/29, 5/1〜5月4日で営業いたします。(4/30, 5/5, 5/6がお休みとなります)
で、その前に少しリフレッシュも兼ね、ここ数日は文化活動三昧。
ドキュメンタリー映画『ヒトラーVSピカソ 奪われた名画のゆくえ』を見に行って参りました。
本作は、第2次大戦中のヨーロッパ、ナチス・ドイツがユダヤ人画商の富裕層、各国の美術館などから略奪した美術品60万点のうち、今もなお10万点あまりが行方不明で未返還となっている現実、ヒトラー率いるナチスがおこなった「退廃芸術展」に象徴されるモダンアートへの弾圧などを、被害者遺族や専門家らの証言を集めその闇に迫ったドキュメンタリー映画。
ヒトラーとその右腕ゲーリングがおこなった美術史上最悪の略奪行為はあまりに酷く、被害者や遺族の方々の悔しさ哀しみを思うと、私の稚拙なブログでは書き記すことはしのびなく、ここは割愛させていただきます。。
でですね、実は、この映画で最も私の興味をひいた人物がいます。
ハン・ファン・メーレンという男。
この男、贋作家なのです。
しかもフェルメールの。笑
メーレンは画家を志すも成功せず、独自の方法をあみ出しフェルメールの贋作を制作。
偽りのフェルメール作品「キリストと姦婦」という作品をナチスに売却するのです。
フェルメールの作品を手に入れたがったゲーリング(ほんとにこいつは私欲にまみれたブタ野郎!)を見事に騙し、贋作つかませたのだからアッパレです。
戦後、ニュールンベルグ裁判で死刑を言い渡されたゲーリングは、自死の前に贋作だったことを知らされるそうです。
そこでやはり気になるのは、いかにしてフェルメールの精巧な贋作を作り出せたか、という点。
映画での解説では、フェルメールの美しい絵肌を表現するために、絵に樹脂を塗り、炉で加熱し、あのつややかなマチエール、細かなひび割れなどを作り出したそうな。
また古めかしさを似せるために、17世紀の無名な絵画のキャンバスから絵具を削りとって使用し時代感を出したと言います。
今で言う、アンティーク加工というんでしょうかねぇ。笑
陶芸品の贋作作りでも、土に埋めたりしてわざと経年劣化してるように見せるみたいです。
ヴィンテージ風デニムを作るのにも、生地の表面を紙ヤスリでやすったり、破いたりしますし。(注:ヴィンテージ風デニムは贋作ではございませんが)
しかし、贋作制作に注力するそのエネルギー、その執念を自分の作品に費やせばちょっとは良い作品できそうな気もするのですが...どうなんでしょう? 笑
さて実を申しますと偶然にも、その翌日なんとフェルメール展に行って参りました。
(言い訳がましいですが、映画観たからということではなく元々予定していたので)
とにかく、人、人、人。
ほんとにフェルメール、人気です。。
そんな人混みの中でも、作品を観る上ではできるだけ新鮮な気持ちで先入観なく向き合いたい、そう思い、集中。
人をかき分け、間近で見たフェルメールは美しかった。。
あのメーレンが作りたかった素晴らしいマチエールを無事確認できました。笑
『ヒトラーVSピカソ 奪われた名画のゆくえ』も『フェルメール展』も、会期は残りわずか、こんなブログで興味が沸くかどうか恐縮ですが、気になる方はぜひ。
『ヒトラーVSピカソ 奪われた名画のゆくえ』はシネリーヴル梅田にて、
さて『ヒトラーVSピカソ 奪われた名画のゆくえ』でも触れられるナチス・ドイツのモダンアートへの弾圧。
ナチスに「退廃芸術」と烙印を押され迫害を受けた沢山の芸術家たちの作品集を古書象々でも多数お取り扱いいたしております。
その中で今日はこちらの書籍をご紹介。
バウハウス叢書 全16巻揃
1919年、ドイツ・ワイマールにてバウハウス設立。
ナチスの弾圧、戦火をくぐり抜け、今年でバウハウス100周年。
美術・建築・工芸の分野で今もなお多大な影響を与え続ける。
エル・リシツキー EL LISSITZKY: Life, Letters, Texts
エル・リシツキー(1890-1941)は、ユダヤ系ロシア人の画家、デザイナー、タイポグラファー、ブックデザイナー、建築家と、様々な顔を持つロシア・アヴァンギャルドの代表的な存在。
20世紀のグラフィックデザインに多大な影響を与えた。
抽象絵画の創始者とされ、美術理論家でもあったカンディンスキー。
その著作をまとめた全集。
いずれも古書象々ホームページ「象々の本棚」にてお取り扱い中です。
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